銀座シネパトス(中央区銀座4、TEL 03-3561-4660)で6月4日より、捕鯨禁止で失業した一家が鯨観光客を惨殺するアイスランド初のホラー映画「REYKJAVIK WHALE WATCHING MASSACRE(レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー、略称=RWWM)」(配給=アップリンク)が公開される。
アイスランドでは1987年から2007年まで商業捕鯨が禁止されたことなどからホエール・ウオッチング・ビジネスが台頭。同作の舞台となる首都レイキャビクはホエール・ウオッチングの観光地としても知られ、商業捕鯨解禁後は港では「こっちにはホエール・ウオッチング船があって、あっちには捕鯨船がある」という「矛盾した」状況が発生しているという。
こうした社会問題を背景に、同作では登場人物を「嫌なやつばかり」(ジュリアス・ケンプ監督)にすることで「中立な立場」を展開。ブラックユーモアを盛り込みながら、捕鯨禁止で失業した一家が殺人鬼となり、船上で観光客の惨殺を繰り返す様子を描く。
タイトルはスプラッター映画の名作「テキサス・チェーンソー・マサカー(邦題「悪魔のいけにえ」)」に着想を得たもので、殺人鬼を演じたガンナー・ハンセンさんが作中では船長として登場。アメリカを拠点に活動する日本人女優・裕木奈江さんの出演も話題を集める。
メガホンを取ったケンプ監督は1967年生まれでレイキャビク出身。イギリスの専門学校で映画製作を学び、アイスランドで映画製作・配給会社を設立。1992年に長編監督デビューを果たし、1997年には監督作が米アカデミー外国語映画賞のアイスランド代表に選出された。
同館では公開初日、裕木さん、プロデューサーのイングヴァール・ソルダソンさん、ケンプ監督が登壇し、舞台あいさつを行う。登壇は11時30分の回の上映後と、13時30分の回の上映前の2回。同日より裕木さんのサイン入りパンフレット100部も限定販売する。
鑑賞料は、一般=1,800円、大学生・高校生=1,500円、シニア=1,000円ほか。