東急不動産(渋谷区)は10月7日、銀座TSビルに東北地方の物販、被災地の写真や映像展示、被災地の食材を使った飲食店などを展開する期間限定スペース「東日本復興応援プラザ」を開いた。
東急不動産は2007年、建て替えを前提に東芝不動産(港区)から銀座TSビル(旧銀座東芝ビル)を取得。同ビル内で50年以上営業を続けてきたモザイク銀座阪急(旧数寄屋橋阪急)はこれに伴い、既存テナントの定期建物賃貸契約が満了する2012年8月31日までに閉店することを発表。モザイク銀座阪急が営業する期間、ビル内は一部が空き物件になっており、数寄屋橋交差点の一角を担う「一等地」に位置することから地元住民からは「銀座のにぎわい創出のため、店をオープンしてほしい」との声が寄せられていた。
地元の要望に応えながら、同社が取り組む東日本大震災の復興支援の一環として開く同プラザ。1階路面部分を中心に空きスペースを無償で貸し出し、東北地方の物販、被災地の写真や映像の展示、被災地の食材を使った軽食の提供、チャリティーイベントの開催などに役立てる。
同日オープンしたのは、物産販売コーナー「銀座いきなり市場」(1階の一部)と、被災地の情報発信を行う展示・イベントスペース「銀座ひろがれ舞台」(2階)。銀座いきなり市場では現在、気仙沼商工会議所が取りまとめた気仙沼の地元企業の物産・食材を販売している。銀座ひろがれ舞台では気仙沼の地元紙「三陸新報」や「河北新報」による、震災当初から現状までを伝える写真や映像を公開。俳優・滝田栄さんが手掛ける仏像展も併催する。
今後は、「こどものための柴基金」が寄付金付グッズなどを販売する「NEVER FORGET 東北」を10月22日に、被災地の特産品などを使った飲食店「銀座つながる食堂」を11月上旬に、それぞれオープン予定。
既に7月から1階にオープンしている物産店「黄門マルシェ~いばらき農園~」「ニッポン農業市場」、飲食店「Cafe いばらきローズ」も含めて、プラザ全体の施設面積は約1170平方メートルに及ぶ。「情報発信能力の高い銀座でこうした活動を行うことで、震災や被災地への人々の関心が風化しないように役立てれば」(東急不動産広報担当者)。
オープニングイベントとして、「サンマつみれ汁」(8日)、「ふかひれスープ」(9日)、「まぐろ丼」(10日)先着500食を無料で提供(各日12時~)する。
プラザは今後、紹介するエリアを「気仙沼から東日本沿岸部の各被災地にも拡大」しながら、来秋以降に予定する建て替え着工までの約1年間にわたり営業する予定。