ファッションの変遷と時代を超えた「女性美」を、オートクチュール全盛期のファッション写真を通して紹介する写真展「Chic and Luxury ~モードの時代~」が現在、「ポーラ ミュージアム アネックス」(中央区銀座1、TEL 03-3563-5501)で開催されている。
オートクチュール全盛期だった1950~60年代にかけて、「VOGUE」「Harper's BAZZER」「I'Ellegance」などのファッション誌では、クリスチャン・ディオールやジャック・ファットなど最先端の服や装飾品を身に着けたモデルたちのファッション写真が誌面を彩った。会場では「後世に残る傑作」として14人の写真家によるファッション写真約50点をビンテージ・プリントで紹介する。
1950~70年代に活躍したヘンリー・クラークは、作中で「エレガンスでグラマラスな最先端モードの世界」を捉える一方で、「コケティッシュで粋なニュアンス」も表現。当時のファッション界に大きな影響を与えた。会場では「エレガンス」に掲載したファッション写真で、レストランで席に着く女性の帽子のトップデザインを鏡の反射を使って1枚に写し込んだ作品や、ワンピースを着たモデルが街を歩くスナップショットなどを展示する。
ウィリー・メイウォルドはアーティストが集った1930年代のパリを捉えた作品群でも知られ、ディオールを中心に著名メゾンを撮影。会場ではボリュームのある襟元が特徴のローブを羽織って街中に立つ女性や、先のとがった帽子をかぶってポーズを取る女性など、女性独特のフォルムを強調した写真群が並ぶ。
ポーラ・オルビスホールディングス広報・IR室の伊藤さんは「50~60年代というと、ちょっと前に感じる方かもしれないが、近年のファッションの流行に通じるものが写し込まれているので古さを感じず、時代を先取っている印象もある」と話し、「お母さん世代には自分の現役時代を懐かしみ、OL世代には今年のファッションの参考に、と幅広い世代の方に刺激を受けてもらえれば」と来場を呼び掛ける。
開館時間は11時~20時。入場無料。12月4日まで。