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銀座で美術家・中ザワヒデキさん新作油彩展-赤い絵の具を大量に使う

「赤いかなきり声の風景#1」(中ザワヒデキ、2011年、油彩、112センチ×162センチ)

「赤いかなきり声の風景#1」(中ザワヒデキ、2011年、油彩、112センチ×162センチ)

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 銀座「ギャラリーセラー」(中央区銀座1、TEL 03-3563-8003)で11月15日、美術家・中ザワヒデキさんの油彩新作展「かなきり声の風景」が始まった。

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 中ザワさんは1963(昭和38)年新潟県生まれ。千葉大学医学部在学中よりアクリル画を描き始め、アーティストとしての活動をスタート。卒業後は眼科医として勤務しながら活動を続け、1990年にCGに転じて「ヘタうまCGイラストレーター」として独立した。「バカCG」と呼ばれるチープでポップな作風で人気を博しながら、1997年には「商業美術家」から「純粋美術家」へと転身。「方法絵画」(~2006年)、「本格絵画」(~2010年)など、表現手法を変化させながら独自の作品を生み出し続ける。

 日本の表現主義のパイオニアの一人として知られる画家・萬(よろず)鉄五郎さんの大正期の代表作「かなきり声の風景」を冠した同展。表現主義とは「(一般的に)感情の赴くまま、情動的に絵の具をキャンバスになぐりつけ、未完成のまま終わらせる」スタイルを指し、「歴史は繰り返すという『循環史観』の立場から、現在の美術表現に表現主義の再再再来があると感じている」(中ザワさん)。今回発表する新作油彩14点を、「第4表現主義(仮)」の到来を予感させるものとして位置付ける。

 作品タイトルは全て「かなきり声の風景」で、1~14までの通し番号を付けて区分。全作が「赤い絵の具を大量に使った」作品で、「高速道路を走る自動車からの景色」「まるで抽象画のような風景画」などモチーフは幅広い。

 「第3表現主義は、80年代初頭にイラスト界で盛り上がった『へたうまムーブメント』にあったのでは」とも。第4表現主義(仮)は、「イラスト界での盛り上がりが、美術の表現として再来したもの」。再来の理由には「世相」「周りのアーティストたちの様子」に加え、「自分が直感的にそういう絵を描きたくなったこと」が決め手になっているという。「赤い絵の具を分厚く塗りこめているので、ぜひ赤い服を着て見に来てほしい」(中ザワさん)

 営業時間は12時~18時。土曜・日曜・祝日定休。12月2日まで。

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