今年も残り1週間となった12月26日、築地場外市場(中央区築地4)には新年への準備を進める買い出し客が集まり、にぎわいを見せている。
専門店約400店がひしめく築地場外市場。通常は市場への仕入れ客を主なターゲットにしているが、年末シーズンは正月用食材を求める一般客が増加。今年は20日ごろから人が増え始め、売り上げが「通常の3倍程度」(築地伊藤海苔店の伊藤信吾さん)を記録する店も。
通りには年末年始の買い出し客があふれる。60代の女性は友人5人で買い出しに。中学校・高校の同級生といい、川越市や目黒区など多方面から毎年このシーズンに築地に「集合」する。購入品は「タラコの粕漬」「数の子」「削り節」など。午前中に買い出しを済ませ、「最後にみんなですしを食べる」のが「楽しみ」という。
長野県から来た夫婦は「同級生や知り合いなど、近所の仲間15人」で来街し、「孫が好物の丸武の卵焼き」のほか、マグロ、筋子、はんぺん、お茶、豆などを購入。「重たい荷物を抱えて歩くのは大変」と話しながらも、「クリスマス後の月曜日は『築地へ行く』と毎年決めているので」と笑顔を見せる。
福島・宮城の販売団体が出店する築地場外市場の復興支援ブース「緑の駅」(中央区築地4)も初めての年末を迎えている。福島県石川郡玉川村の直売所「こぶしの里」からやって来た駒橋正人さんは「リンゴ、ナシ、土ゴボウ、土ネギ、土里芋がおいしい時期。トマトを使った餅などもあるので、ぜひ見に来てほしい」とアピールする。
伊藤さんは「年末最後の2週間は一年の中でも『かき入れ時』で、特に29日、30日は道を通れないくらいに人が集まる『勝負』の日」と話す。「この時期はスリも多くなる。出掛けるときはカバンを前にしっかり持って、気をつけて歩いてほしい」と注意を呼び掛ける。