銀座・みゆき通りの銀座ソトコトロハス館(中央区銀座6)で1月20日、画家・フェルメールの現存する全37点を「当時の色彩、原寸大」で複製した作品展「フェルメール 光の王国展」がスタートした。
監修は生物学者の福岡伸一さん。福岡さんはANAの機内誌「翼の王国」で、フェルメール作品を求めて世界を探訪する美術紀行を連載。4年に及んだ同連載をまとめた著作「フェルメール 光の王国」を、2011年8月に木楽舎(築地7)から刊行した。
紀行を通して「フェルメール絵画の理解には、作品を時間軸に沿って追体験することが不可欠」と感じたという福岡さん。同展では現存するフェルメール作品全37点を、デジタル画像処理技術を使って複製。経年変化した青や黄を350年前の色合いに補正したり、作品に描かれた真珠、照明、鏡の輝度を強調したりなど、フェルメールの「世界観・生命感」を解釈して表現した作品群を一堂に並べる。
会場では、フェルメールが本格的に画家として活動をスタートした20代前半から30代後半までに手がけた作品を時系列で紹介。「自分のスタイルが見つけられないでいた」20代の作品群から、室内の女性を描いた作品、光の入る室内に立つ女性を描いた作品、真珠のネックレスを身に着けた女性を描いた作品へと、後に広く知られることになるフェルメール独自のスタイルが徐々に確立されていく様子を伝える。
フェルメール生い立ちや、創作に関わる資料の展示も。物販ブースではバッジ、ポスターなどのほか、作品中の女性が身に付けたアクセサリーやスカーフなどをイメージしたオリジナルグッズ200アイテムを取り扱う。
開催時間は10時~18時。入場料は大人1,000円、小・中学生500円など。第1・第3月曜休業(祝日の場合は開業)。7月22日まで。