帝国ホテル(千代田区内幸町1)で2月29日、首都圏に構えるホテルを中心に幅広いジャンルの料理人が集まり、東北食材を使った魚料理、肉料理、スイーツなどを振る舞うビュッフェイベント「早春の東北を楽しむチャリティー食事会」が開催される。
主催は東京を主な拠点にラーメン、すし、フレンチ、スイーツなど幅広いジャンルの料理人、サービススタッフ、料理界に従事する人々が集う「料理ボランティアの会」。新潟中越沖地震をきっかけにスタートしたプロジェクトで、災害が「落ち着いた」段階で被災地に赴き、前菜からデザートまでの形式で料理を提供する活動を展開。参加する料理人は多い時で120人に及び、これまで越後川口、長岡、輪島、柏崎などで「プロの味」を振る舞ってきた。
昨年は東日本大震災を受け、都内でのチャリティー食事会を計6回実施した。収益約890万円を活動資金として、福島県飯舘中学校でクレープ教室を開催したり、宮城県石巻で食の交流会を行ったり、岩手県宮古で料理を振る舞ったりと、被災地への訪問活動を続けている。
7回目のチャリティー食事会となる今回は、訪問活動をきっかけに「縁ができた」という石巻のメンバーもスタッフとして参加する。「飛びっきりおいしいものを寄ってたかって準備する」を信条にボランティアで調理する料理は、魚料理、肉料理、すし、ラーメン、スイーツまで幅広い。
「ホテルニューオータニ」「グランドプリンスホテル新高輪」「帝国ホテル」「石巻グランドホテル」が提供する魚料理はヤリイカ、タラ、ヒラメなど石巻から仕入れた魚介類を使って調理。「ホテルオークラ東京」「インターコンチネンタル東京ベイ」「ホテルメトロポリタンエドモント」による肉料理では、宮城県産えごま豚、森林どりなど東北の肉類を主に使う。スイーツは「石巻イチゴを使ったデザート」をテーマにしたタルト、ショートケーキ、ティラミス、マカロナードなどで、稲村省三さん、柳正司さんなど6人のパティシエが腕を振るう。そのほか「麺屋武蔵」によるラーメン、「新ばし しみづ」によるすしも。
活動は今後も続ける予定。「都内では『被災地を忘れない』『被災地では今…』という事を、いろいろなエリアのおいしい食材を使ったイベントを通じて伝えていきたい。被災地への訪問活動では、それぞれの場所の実情に応じて、料理教室、食育、メニュー開発応援、食材活用、都内での食材イベントなど、さまざまなジャンルの料理人がそろっている会だからこそできる企画を考えている」と同会担当者。「一般社団法人を設立すべく準備中。公益を目的に『災害大国での心ある料理人集団』として、おいしいもので貢献するための体制、活動を本格化させていきたい」とも。
開催時間は18時30分~20時。着席ビュッフェスタイルで会費は7,000円。うち2,000円を義援金に充てる。定員は500人。24日午前中現在で450人の応募があり、締め切りが迫っている。