東京フィルメックス事務局(港区)は11月17日より、国際映画祭「第7回東京フィルメックス」を有楽町朝日ホール、フィルムセンター大ホール、シネカノン有楽町、東京国際フォーラム・ホールCの4会場で開催する。
同イベントは「制作予算の大小に関わらず既成の概念にとらわれない強烈な作家性のあふれる作品を紹介してゆく」(同事務局)というもので、2000年の第1回動員者数12,374人から、昨年開催された第6回では20,359人と動員数を伸ばした。第7回を数える今年は全34作品、59回の上映を行う。
特別招待作品は、ベネチア映画祭で金獅子賞を受賞したジャ・ジャンクー監督が、三峡ダム建設中の町を舞台に、変わりゆく中国社会を描写した「三峡好人(原題)」、ベネチア映画祭、カンヌ国際映画祭などで受賞経験を持つツァイ・ミンリャン監督が初めて故郷のマレーシアで撮影した最新作「黒眼圏(原題)」、黒沢清監督のミステリー「叫(さけび)」、ジャファル・パナヒ監督が、女性のスタジアム観戦が禁止されているイランでワールドカップ出場がかかった予選を見ようとする少女達の奮闘を描いた、今年のベルリン映画祭銀熊賞受賞作「オフサイド」、アピチャッポン・ウィーラセクタン監督の、前半で田舎の病院を、後半で都会の病院を舞台に日常風景を描いた最新作「世紀の光」、東京国際映画祭の審査員を務めたガリン・ヌグロホ監督が、陶器商の夫婦をめぐる三角関係を現代舞踏で国際的に活躍するダンサー達を起用し描いた「オペラジャワ」など。
2006年に制作されたアジアの進出作家による9作品を上映する、東京フィルメックスコンペティションでは、2人の女性監督、ダリア・ハゲル監督とヴィディ・ビル監督により、2人の18歳女性兵士の日常を通しイスラエル社会のある側面をとらえた「クロース・トゥ・ホーム」、バフマン・ゴバディ監督がフセイン政権崩壊後のクルド人の現状を描いた「半月」、マニ・ハギギ監督による、イランの代表的名優と演技未経験者による演技が見られる「メン・アット・ワーク」などを上映。
また、特集映画上映では岡本喜八監督の初期の作品「独立愚連隊」など12作品を上映するほか、今年8月に逝去したダニエル・シュミット監督の劇場未公開作品「天使の影」、「ヴィオランタ」を追悼上映する。11月26日まで。