築地市場開場77周年に合わせ、築地場外市場（中央区築地4）では4月7日、鮮魚店、青果店、乾物店、すし店など幅広い店が思い思いのサービスを繰り広げる「七日市」を初めて開催した。

七日市初開催となった場外市場は、国内外からの観光客でにぎわった

　豊洲への市場移転を3年後に控える築地場外。場外店からは「（場内移転で集客力の低下に）危機感がある。イベントをもっと増やしていければ」という声が多く寄せられているといい、NPO法人「築地食のまちづくり協議会」が中心となり、「築地開場77周年」と「ラッキーセブンの7」を掛け合わせ、毎月7日を「七日市」として「プロ・素人問わず全てのお客さま」をターゲットに「お買い得品」を並べる定例イベントの開催に乗り出した。

　「街の若旦那が事前に各店を回って参加を呼び掛け」、初開催となった4月7日の七日市には場外の総店舗数の約半数に及ぶ201店が参加。「七」と大きく記したブルーのポップやちょうちん、ミニのぼりなどが場外一帯にお目見えし、市開催をアピールした。

　塩干し物卸の「吉澤商店」では、通常5切れ600円で提供する国産天然時ジャケを7切れにして販売した。「ちまたで出回っているサケは外国産で養殖が中心。天然のサケは泳いで自分で餌を取るので筋肉の締まったおいしさが特徴。身の色の鮮やかさは添加物を使った養殖と比べて見劣りがするが、『本物』の色味、味わいを知ってもらえれば」と店主。

　鶏肉専門店「鳥藤」では、手羽元100グラム通常73円のところを53円で販売。そのほか天然マグロ中トロ100グラム700円の商品を半額で提供する店や、七日市限定の卵焼きを販売する店、菓子豆を500円詰め放題で提供する店、1,000円以上の購入客に「辛口味付けのり」を進呈する店、みそ汁をサービスする飲食店など、各店が独自に考案したサービスがバラエティー豊かに出そろった。

　当日の築地は好天に恵まれ、午前中から国内外の観光客が場外へ足を運んだ。店頭では午前中で売り切れ終了したサービスも。「土曜は毎週一般客でにぎわうが、今日は普段の土曜より人出が多いのでは」（鳥藤スタッフ）。

　初の市を終え、協議会事務局長の鹿川賢吾さんは「今までのイベントは平日ではなく、土曜日に行うことがほとんどだった。（今回は偶然土曜と重なったが）今後、七日市は平日でも開催していく。七日市が築地のイベントとして定着して、平日にもたくさんのお客さんに来てもらえるようになれば」と話す。

　3月27日には、東京都議会で築地市場移転を踏まえた中央卸売市場の会計予算案が可決されたばかり。「築地場外市場は、築地市場移転後、築地の食文化を継承していく大切な役割を担っている。市場移転後も築地が今のにぎわいを維持できるように、全力で取り組んでいきたい」（鹿川さん）とも。

　七日市は今後毎月7日に開催する。