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木造モルタル密集エリア・築地場外で初の消火訓練-初期消火体制強化へ

火点に向けて一斉放水する消防士・消防団員・参加者

火点に向けて一斉放水する消防士・消防団員・参加者

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 築地場外市場で9月11日、京橋消防署の協力を得て初めて「夏の消火訓練」が行われた。

スタンドパイプを使って「火点」に向けて放水する参加者

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 木造モルタルの建築物がひしめき合う場外は「延焼の危険性が比較的高いエリア」(東京消防庁京橋消防署広報担当者)とされている。昨年7月13日にも700平方メートルが焼失する火災に見舞われ1軒が全焼したほか、半焼、ぼやなどを含めて全8棟が火災被害に遭った。

 築地場外市場商店街振興組合などNPO法人「築地食のまちづくり協議会」に加盟する5団体は現在、東日本大地震も踏まえて防災防火体制の強化に取り組む。今回は初めての実践的な活動として、本年度購入した初期消火用「スタンドパイプ式消火器具セット」を用いた消火訓練を行った。

 同日、築地4丁目波除通りで火災発生を想定したデモンストレーションを実施。参加者がホースを延長して放水する間に、消防団員、消防士が次々に到着してポンプ車で放水を引き継ぐ様を実演した。その後参加者が順にホースを握り、スタンドパイプで水を出す消火訓練も展開。

 訓練には場外で働く人々約100人が参加した。案内所「ぷらっと築地」の女性スタッフは「思ったより操作が楽だと感じた。火災への心構えの役に立った」と振り返り、そば店店主は「一度体験するだけでも実践につながる。やってみて良かった」と消火活動への意欲を見せた。一方で「築地場外には働きに来ている人が多いので、日中の火災には自分たちで消火活動ができる。夜間の火災対策についても考えていかなければ」(乾物店店員)という意見も聞かれた。

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