メゾンエルメス(中央区銀座5)10階の予約制ミニシアター「ル・ステュディオ」(TEL 03-3569-3300)で9月より、怠け者の農民が巻き起こす騒動を描いたドタバタ喜劇「ぐうたらバンザイ!」が上映されている。
「パリの街角の映画館」をテーマに、2001年のメゾンエルメス開業と同時にオープンした40席の上映スペース「ル・ステュディオ」。エルメスの年間テーマに基づいた独自のプログラムを月替わりで展開。これまでピエル・パオロ・パゾリーニ監督「TEOREMA(テオレマ)」(1968年)、フランスの劇団「ロワイヤル・ド・リュクス」のドキュメンタリーなどを無料で上映してきた。
本年度より「年間テーマをより多くの視点から感じてもらいたい」と、土曜のみだった上映日を、土曜・日曜・祝日へ拡大。オンライン予約も開始した。5月からは年間テーマ「時の恵み」にちなんで、これまで「去年マリエンバートで」「魔法の時計の物語」などを上映。「これを機に初めてル・ステュディオを知っていただくお客さまも多く、好評」(広報担当者)という。
上映日拡大から5作品目にあたる9月のプログラムは、ジャン・ヴィゴ賞を受賞した「わんぱく戦争」(1961年)で知られるイヴ・ロベール監督作「ぐうたらバンザイ!」(1968年)。効率第一の妻の尻に敷かれて暮らしていた男が、妻の死をきっかけにベッドの中で何もしないで1日を過ごす術を開発。おせっかいな村人たちとの対決などを通して、「仕事や効率に走るあまり、ゆっくり、のんびりすることの良さを忘れた」現代人に向けて「自由と、社会の圧力にあらがう力」を伝えている。
予約は電話かオンラインで受け付ける。上映時間は11時~、14時~、17時~(土曜・日曜・祝日のみ)。9月30日まで。