来年5月の閉館が決まっているホテル西洋銀座(中央区銀座1)地下1階ケーキショップ(TEL 03-3535-1140)で現在、和栗のマカロンなど秋の人気スイーツの最後の販売が行われている。
焼き菓子、生菓子、ブレッドなどを扱うホテル西洋銀座地下1階「ケーキショップ」
同ホテルが創業した1987(昭和62)年から展開するケーキショップ。初代シェフパティシエはフランス人のミシェル・ブローさんで、数年後には創業当時からツーシェフを務めていた稲村省三さんが2代目に就任。後にフランス菓子店「ショウゾウイナムラ」(台東区)で独立を果たす稲村さんは、「昔からあるお菓子をアレンジして、ホテル西洋銀座のオリジナルスイーツにできれば」との思いで、独自のレシピによるカステラやマカロンなどを生み出してきたという。
稲村さんレシピの「銀座マカロン」(1個231円)は、マカロン自体の知名度が低かった1990年代から販売を続け、「7~8年前のマカロンブーム」をきっかけに一気に「看板商品」へと成長。薄いマカロンにラム酒の利いたレーズンとバタークリームを挟んだ「レーズンウィッチ的」なマカロンで、しっとりした独特の食感と味わいで知られている。「高い技術を要する」という絞り出したようなフォルムが特徴の定番「モンブラン」(599円)も、稲村さんのレシピによるもの。
五十嵐宏さんが3代目を引き継いだ後、2002年からはセンチュリーハイアットで修業を重ねた浦野義也さんがシェフパティシエに就任。「今までのレシピに手を加えて新しいものを生み出していくのが、浦野シェフの強み」と、マーケティングマネジャーの田渕美千枝さん。人気商品に秋の味わいを添えた「和栗のマカロン」(1個263円)、「和栗のモンブラン」(599円)は浦野さんのレシピで、「お客さんから『この時期を待っていた』という声も頂く」人気商品という。
ほかに「栗のミルフィーユ」(578円)、「栗ロールケーキ」(1本1,890円)、「栗カステラ」(1本2,100円)も扱う。最後の提供となる秋の限定スイーツについて「奇をてらっていくというよりも、西洋銀座らしく本当に美味しい物を粛々と作って行きたい思いがあった」と田渕さん。「秋の味覚を楽しんで」とも。
ケーキショップは、同ホテルの閉館に合わせて閉店が決まっている。閉店後の商品展開については「現在は未定だが、今後もホテルの味を何らかの形で残せないかと検討しているところ」。
営業時間は11時~19時。秋のスイーツの販売は11月30日まで。