12月1日に創業88周年を迎える松坂屋銀座店(中央区銀座6、TEL 03-3572-1111)で、デパートガールが身に付けた歴代の制服を一堂に並べる回顧展が始まった。
1924(大正13)年に銀座で初めての百貨店として開業した同店。1929(昭和4)年にエレベーター添乗員を男性から初めて女性に変更し、当初は「昇降機ガール」の名で紹介。1933(昭和8)年には和装だった女性社員の制服を、呉服店を除いて洋装に統一した。以来、1950年代に航空機の客室乗務員の認知が広がるまでデパートガールは女性の社会進出の象徴であり、「女性がなりたい憧れの職業」(同館広報担当者)として知られてきた。
同展では、デザインが現存する1972(昭和47)年から現在まで歴代のデパートガールの制服を展示。制服はトルソーに着用させ6種類を並べ、週替わり程度で展示服を入れ替える予定。ほかに来場者が試着して撮影ができるコーナーも設けた。
会場ではほかに、空襲により2階から上が焼失した本館の増築工事が完了した1952(昭和27)年の建物や、焼け残った本館部などを増改築した1964(昭和39)年の建物の模型、年表、ポスター、当時の写真や新聞のサンプルなどを並べ、88年の歴史を紹介する。同店宣伝部出身の芸術家・宮永岳彦さんの仕事を伝える展示なども実施。
併せて、「最後の大誕生祭」と題し、「88」にちなんだ記念セールを全館で開始。12月8日・9日には、「銀ブラ」の語源にちなんでブラジルコーヒーの試飲販売を行う。
営業時間は10時30分~20時。展示・生誕祭は12月11日まで。