都内に11の市場を展開する東京都中央卸売市場が11月28日、有楽町駅前広場(千代田区有楽町2)で市場の認知と理解促進を目指した「TOKYO ICHIBA PROJECT」のキックオフを宣言した。
中央卸売市場は1935(昭和10)年、築地、神田、江東の3市場を開場。現在では都内11カ所に市場を構え、都内を中心に消費される水産、青果、食肉、花きなどの卸を行っている。
水産物約480種、青果物約270種を取り扱う築地市場は、世界最大級の規模で知られる中央卸売市場の基幹市場。同プロジェクトは、この築地市場の豊洲移転決定を背景に始動。総合プロデューサーを放送作家の小山薫堂さんが務め、マガジン発行、サイト開設、イベント開催など複合的なアプローチで卸売市場の機能・役割の認知拡大を目指す。
セレモニーには料理人・道場六三郎さんが登壇。銀座にある「銀座ろくさん亭」「懐食みちば」の店主を務める道場さんは、28歳で赤坂の日本料理店のチーフになったのを皮切りに築地市場に通い始めて50年以上。ステージでは、築地市場の開場当時から営業する鮮魚卸「大力商店」の5代目・原田勝代表、及部陽一営業部長をゲストに迎え、「全体的に元気がなくなってきている」といわれる築地市場の魅力や問題点などについてトークイベントを開催。その後、道場さんの「東京いい市場、頑張ろう」という掛け声でプロジェクトのキックオフを宣言した。
同日、同プロジェクトオフィシャルサイトも開設。来街者に向けて雑誌「dancyu(ダンチュウ)」とのコラボで編集する市場情報のフリーマガジン「TOKYO ICHIBA Times 広報誌」を配布した。来年1月にはJ-WAVEでのラジオ番組オンエアとバスツアーの運行を、2月にはシンポジウムの開催を、順次スタートさせていく。
東京都では今年2月、築地市場の豊洲移転を2014年度中に予定することを発表しており、中央区もこれに同意。築地エリアでは、2014年度中のにぎわいづくり施設「鮮魚マーケット」開設へ向けて整備を進めている。