第5期歌舞伎座(中央区銀座4)の開業を約1カ月後に控えた3月1日、東銀座では東京メトロ東銀座駅と歌舞伎座をつなぐ連絡通路が開通した。
GINZA KABUKIZA地下2階が東京メトロと直結し、東銀座駅から「エレベーター1本」で劇場入り口へとつながった。合わせて同フロアは地下広場「木挽町広場」として一般開放。スペースの中央に「歌舞伎座」と記した高さ2.7メートルの大ちょうちんをつるし、フリースペースを囲むようにテナントが出店。災害時には施設全体で帰宅困難者3000人を受け入れる防災拠点としての機能も果たす。
1300平方メートルの広場には、「セブン-イレブン」「タリーズコーヒー」のほか、歌舞伎座公式の土産物を扱う「かおみせ」、そばやぜんざいなどを提供する「歌舞伎茶屋」、食品雑貨を扱う「はなみち」が軒を連ね、切符売り場(営業は3月15日10時~)も併設。待ち合わせ利用なども見込んでにぎわい創出を目指し、「歌舞伎座のお客さまだけでなく、近隣住民、メトロ利用者まで、幅広い人々に長く愛してもらえれば」と、松竹・迫本淳一社長。
同日、広場では東銀座駅の開通と木挽町広場の開場を記念した式典が開催された。テープカットには矢田美英中央区長、日本俳優協会の尾上菊五郎理事長、東京メトロ銀座駅務管区の柿沼昌弘区長、歌舞伎座の大谷信義社長、迫本社長が出席し、江戸消防記念会による「木遣(や)り」の実演とともにオープンを祝った。
「子どものころに東銀座の地下鉄が開通し、父が『なんで歌舞伎座と直結しないのか』と言っていたのを覚えている」と菊五郎さん。「その妙がかなった」と開通を祝し、「歌舞伎はお客さんが命。駅を出て木挽町広場にとどまるのではなく、そこから歌舞伎座までたくさんの方に足を運んでもらえれば」と、1カ月後に迫る歌舞伎座開場に向けて意気込みを語った。
広場の開放時間は始発から終電まで(営業時間は店舗により異なる)。