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フィルムセンターで特集上映「よみがえる日本映画」-千葉泰樹作品など20作

「よみがえる日本映画 vol.6『東 宝篇』」で上映される「青春酔虎傳」

「よみがえる日本映画 vol.6『東 宝篇』」で上映される「青春酔虎傳」

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 東京国立近代美術館フィルムセンター(中央区京橋3、TEL 03-5777-8600)で10月31日、特集上映「よみがえる日本映画 vol.6『東宝篇』」が始まった。

「よみがえる日本映画 vol.6『東 宝篇』」で上映される「女優と詩人」

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 同センターは2009年度補正予算から映画保存のための特別事業費を得て、通常の収集活動では困難なフィルム・コレクションの拡充や原版素材の整備を行ってきた。同企画はこの取り組みにより同センターでの上映が可能になった、それまでは長期間スクリーンで見ることが困難だった作品をまとめて紹介するもの。映画会社別の特集としては、これまで「東映篇」「新東宝篇」「大映篇」「日活篇」を開催してきた。

 今回の「東宝篇」では、東宝の前身にあたるP.C.L.とJ.O.時代の初期の作品を含む19プログラム、計20作品を上映する。

 同センター主任研究員の入江良郎さんは「映画会社の初期作品からはその会社のルーツを知ることができる。今回の上映でもエノケン主演のオペレッタ映画『青春酔虎傳』のように歌や音楽が重要な要素を占める作品や、トーキー初期に劇中劇の入れ子構造というトーキーならではの演出を採用した『女優と詩人』などに、東宝のカラーがよく現れていると思う」と話す。

 「今回は成瀬巳喜男、伊丹万作、豊田四郎らの監督作品が並ぶ粒ぞろいのラインアップ。ほかにも千葉泰樹監督の『鬼火』のように、作家としての評価は遅れたが、最近になって再び高い人気を集めている監督の作品を見ることができるのもこの企画の醍醐味(だいごみ)の一つ。今回、『化粧雪』が上映される石田民三監督のように、当センターでの上映を海外の研究者が見たことで、再評価につながるケースもある」と話す。

 「今回は1950年代と並ぶ日本映画の黄金時代である1930年代の作品も多く上映する。この機会に日本映画の裾野の広さ、奥深さを体験していただければ」と来場を呼び掛ける。

 月曜休館。入場料は一般500円ほか。上映期間は11月24日まで。上映スケジュールなどの詳細は同センターのホームページで確認できる。

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