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銀座でアーティスト・イン・レジデンス展-「昭和のビル」3つを舞台に

「銀座コラージュ!アーティスト・イン・レジデンス展」で滞在・制作の場となった「中銀カプセルタワービル」

「銀座コラージュ!アーティスト・イン・レジデンス展」で滞在・制作の場となった「中銀カプセルタワービル」

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 銀座1丁目の「銀座レトロギャラリーMUSEE」(中央区銀座1)で現在、「銀座コラージュ!アーティスト・イン・レジデンス展」が開催されている。

「銀座コラージュ!アーティスト・イン・レジデンス展」で、写真インスタレーション作品を発表した鈴木のぞみさん

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 同展は、アーティストが1972(昭和47)年竣工の「中銀カプセルタワービル」に滞在し、同タワービルと1932(昭和7)年竣工の「奥野ビル」の306号室を制作場所に使って「銀座」「築地」「たてもの」などをテーマにアート作品を制作し、その成果を1932年竣工のビルを保存・改修したギャラリー「銀座レトロギャラリーMUSEE」で展示するもの。主催は「銀座たてもの展実行委員会」。

 中銀カプセルタワービルは、建築家・黒川紀章さんの初期の代表作で、ベッド・エアコン・冷蔵庫・テレビ・収納などを作り付けで備えた、世界で初めて実用化されたカプセル型の集合住宅。エレベーターシャフトの塔に丸窓のついた部屋(=カプセル)を140個取り付けた特異な外観は、1959(昭和34)年に黒川さんらが提唱した「メタボリズム運動(=社会の変化や人口の成長に合わせて有機的に成長する都市や建築の提案)」の設計思想を表現するデザインとして高く評価されてきた。

 奥野ビルは竣工当時「銀座アパートメント」と呼ばれ、多くの文化人が住んだ集合住宅だった。現在はその独特の雰囲気を生かして多くの画廊などが入居・営業するビルとしても知られている。

 銀座レトロギャラリーMUSEEの入るビルでは、昨年初頭まで約40年にわたって小料理屋が営業していたが、ビルを譲り受けたオーナーがビルの風格に感銘を受けて同ギャラリーをオープンさせた。

 同展では、これらの「奇跡的に残る昭和の魅力あふれる」3つの古いビルをアーティストの生活・制作・発表の舞台とすることで、建物が「そのままある」ことの意義と可能性を探る。

 参加アーティストは、中銀カプセルタワービルに住む人々の日常の姿を丸い鏡にプリントした写真インスタレーション作品を制作した鈴木のぞみさん、鏡面の箱をのぞき込むと「街の光が増幅し、銀河のように見える」インスタレーション作品などを発表した林勇気さんと、久保田絢子さん、原摩利彦さん、森ナナさんの5人。

 同展キュレーターのすがわらたかみさんは「銀座でアーティスト・イン・レジデンスというと意外に思われる方もいると思うが、街自体を生活の場のようにして住んでみると、活気とインスピレーションにあふれた面白い街。建物や人の記憶を残し、伝えることができれば」と話す。

 開場時間は11時~17時(30日は13時~18時、最終日は15時まで)。入場無料。11月3日まで。

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