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東京・京橋のフィルムセンターで志村喬展 書簡や給与明細など私的資料公開も  

「生きる」のポスターとスチール写真

「生きる」のポスターとスチール写真

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 東京国立近代美術館フィルムセンター(中央区京橋3)7階展示室で8月18日、展覧会「生誕110年 映画俳優 志村喬(たかし)」が始まった。

志村喬さんと政子夫人の新婚時代の写真

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 志村さんは1905(明治38)年、兵庫県生まれ。学生時代から演劇活動に目覚め、1934(昭和9)年に新興キネマ京都撮影所に入社。1937(昭和12)年の日活移籍以後は芸達者な時代劇の脇役として認められた。

 1943(昭和18)年に入社した東宝で黒澤明監督に出会い、以降、「酔いどれ天使」「生きる」「七人の侍」など同監督の30作品のうち21作品に出演したほか、1982(昭和57)年に亡くなるまで、生涯で400本以上のフィルムに出演した。

 同展は2010年に同館への寄贈が完了した、志村さんに関するシナリオ・美術資料・写真・ビデオ・冊子・映画ポスター・書簡・アルバムなどのコレクションを初めて本格的に公開するもので、「第1章・演劇青年から時代劇俳優へ」「第2章・黒澤明との歳月」「第3章・日本映画の『顔』として」「第4章・素顔の志村喬」の4部構成。

 「生きる」の公園のブランコシーンのセットイメージ図やポスター、「酔いどれ天使」の舞台版セット立絵、シナリオ、小道具など作品に関する展示のほか、日活・東宝在籍時代の給与明細、政子夫人との婚約時代の往復書簡、三船敏郎さんからのエアメール、黒澤監督からのメッセージなど、プライベートな資料も見ることができる。

 関連企画として同館大ホールでは、志村さんの出演作品の中から「野良犬」「醜聞(スキャンダル)」などの黒澤作品や、「ゴジラ」「総会屋錦城 勝負師とその娘」「男はつらいよ 寅次郎恋歌」など15作品を上映する。

 同センター主任研究員の岡田秀則さんは「これらの貴重な資料を目にできるのは、『大切なものは捨てなかった』政子夫人のおかげ。故人とその後に残るコレクションという関係においても考えさせられる展示となった」と話す。

 「日本映画が誇る忘れがたい名優を再発見する機会になれば」とも。

 開催時間は11時~18時30分。月曜と9月8日~11日、9月25日、9月29日~10月1日、10月13日~15日、10月20日~22日、11月10日~12日、11月17日~20日は休室。入場料は一般210円ほか。12月23日まで。

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