メゾンエルメス(中央区銀座5)8階「フォーラム」で現在、「『水の三部作2』アブラハム・クルズヴィエイガス展」が開催されている。
アブラハム・クルズヴィエイガスさんはメキシコシティを拠点に活動するアーティスト。これまでウォーカー・アート・センター(米)、テート・モダン(英)などで個展を開催したほか、ドクメンタ13(独)、ヴェネチア・ビエンナーレ(伊)などの国際展に参加してきた。
幼少期を過ごしたメキシコシティ郊外アフスコの「セルフ・ビルディング」運動や、密集したマーケットなどに見られる「美的な乱雑さ(=混沌)」をルーツとするクルズヴィエイガスさんは、自身の制作や作品のあり方を「Autoconstrucción(自己構築)」という言葉で表し、シリーズ化している。
「The Water Trilogy(水の三部作)」は、今年、3カ所で開催されるクルズヴィエイガスさんの個展の「第2章」に当たるもの。
会場には日本で集めた古紙や古新聞・割り箸などで作られ、吹き抜け天井につり下げた大きなオブジェのほか、さまざまな青色に塗り分けた紙片・プラスチック片を使ったコラージュ作品、使用済み段ボールのスクリーンにメキシコのミュージシャンが音楽を奏でる映像を映し出すインスタレーションなどが並ぶ。
「作品の素材に関して、または技術的なことに関してはいくらでも質問に答えるが、自分の作品を『解説する』ことは決してしない」と話すクルズヴィエイガスさん。
「解釈はあくまでも見る人にゆだねられている」とも。
開廊時間は11時~20時(日曜は19時まで)。入場無料。7月2日まで。