演劇・映画の専門図書館、公益財団法人松竹大谷図書館(中央区築地1)は現在、クラウドファンディングサービスで資金を募っている。
木下惠介監督作品『二十四の瞳』の小豆島での撮影中に撮られたスナップ写真が貼り込まれたスクラップ
同館がクラウドファンディングサービスを利用するのは6回目。これまで5回はいずれも目標金額を達成し、累計約1,500万円の資金を調達してきた。
今回のプロジェクト名は「歌舞伎や映画、銀幕が伝えた記憶を宝箱で守る。」で、目標金額は「図書館の平成29年度運営資金」が160万円、「『映画スクラップ』を保護するアーカイバル容器の制作費用」が90万円の合計250万円に設定した。
「映画スクラップ」は、映画公開当時に新聞・雑誌に掲載された紹介記事などを作品ごとに貼り込んだスクラップ帳。約4000冊に及び、撮影時のスナップ写真や宣伝材料が貼り込まれるなど撮影当時の様子を知ることができる貴重な資料である「映画スクラップ」を、専用の入れ物である「アーカイバル容器」に入れて保存することで、保存状態の改善を図る。
同館事務局の武藤祥子さんは「『二十四の瞳』の小豆島での撮影中に撮られたスナップ写真や、『麥秋(ばくしゅう)』の広告記事なども閲覧室でご覧いただくことができる『映画スクラップ』。しかし特に昭和20年代のものは、戦後間もない時期に作られたために紙質も悪く、経年劣化のため、利用するたびにボロボロと茶色い紙片が落ちてしまう。しっかりとした厚みのあるアーカイバル容器に入れることで、書架に立てた時に自重で破損が進むことを防ぎ、埃(ほこり)や温度・湿度の変化などの劣化要因からも資料を守ることができる」と話す。
募集金額は1口当たり3,000円~5万円で、支援金額に応じたリターンが設定されている。
クラウドファンディングへの応募は10月25日の23時まで。