LIXIL(リクシル)ギャラリー(中央区京橋3)で6月7日から、企画展「ふるさとの駄菓子 ―石橋幸作が愛した味とかたち―」が始まる。
昭和30年代頃までは、穀物に単純な加工を施した菓子が地方ごとに形や味を変えて多く存在し、これらは白砂糖を使う「上菓子」に対して「駄菓子」と呼ばれた。駄菓子は各地の風土や歴史、季節などを反映した「ふるさとの味」だったという。
石橋幸作は1900(明治33)年に仙台の「石橋屋」の2代目として生まれ、自身も菓子職人として郷土菓子を作る傍ら、半世紀にわたって東北地方をはじめ西日本や四国、九州にも足を運び、「吹き飴」「かりんとう」「ねじりおこし」「かるめら焼」など、江戸時代から庶民に愛されてきた郷土駄菓子の調査研究を行なった。
文章と絵の記録だけでなく、紙粘土を使って意匠を立体的に再現したものもあり、それらの記録の中には既に失われた駄菓子や風俗も多く含まれるため、菓子文化や庶民の暮らしを考える上で、貴重な資料となっている。
同展では駄菓子のスケッチや名前・製法を聞き書きした記録をまとめた冊子類、明治期の駄菓子の商標ラベルや広告を集めたスクラップブックのほか、「信仰」「薬」「道中」「食玩」「お茶請け」の5つのグループに分類した、紙粘土による駄菓子の再現模型など約200点の資料を展示。駄菓子の魅力を紹介する。
開館時間は10時~18時。水曜と8月11日~15日は休館。入場無料。8月25日まで。