企画展「富士屋ホテルの営繕さん -建築の守り人-」が12月6日、LIXIL(リクシル)ギャラリー(中央区京橋3)で始まる。
1878(明治11)年に開業した箱根の富士屋ホテルは登録有形文化財を含む和洋混合の建築群を持ち、その多くは建築家を介在させることなく、歴代経営者のアイデアの下、地元の棟梁(とうりょう)によって建てられてきた。
同ホテルには営造や修繕に従事し、「営繕さん」と親しみを込めて呼ばれるスタッフがおり、ダイニングルームの椅子や床、換気口などの日々のメンテナンスから、家具類の製作、庭園の橋や水車、ヒノキ風呂作りまで、木工事、左官、溶接、塗装など多岐にわたる作業を行っている。
そんな「営繕さん」にスポットを当てる同展では、ホテルが今年4月から改修のため2年間の休業に入ったことを機に、営繕の仕事の痕跡が残るさまざまな場面を取材。建物内外の撮り下ろし写真を中心に、本館入り口の「朱赤の欄干」の移設展示、コンシェルジュコーナーの再現、「営繕さん」が使う道具類、映像など約90点を通して、歴史ある建築を守り受け継ぐ富士屋ホテルの姿を浮き彫りにする。
開館時間は10時~18時。水曜、12月28日~来年1月4日休館。入場無料。2月23日まで。