企画展「台所見聞録-人と暮らしの万華鏡-」が6月6日、LIXILギャラリー(中央区京橋3)で始まる。
村井弦斎著「食道楽」の口絵「大隈重信邸台所」(明治38年発行)
建築家の宮崎玲子さんと、住宅における台所の変遷についての研究を行っている神奈川大学特別助教の須崎文代さんのこれまでの調査研究を見聞録に見立て、世界の伝統的な台所と近代日本における「台所改革」の様子を、再現模型や図版、日本の家政書など約90点の資料で展観し、人々が求めてきた理想の台所像を再考する。
50カ国以上の国を訪れ、伝統的家屋における台所調査を行なってきた宮崎さんは調査時の記録や資料を基に10分の1縮尺の再現模型を製作している。今回はその中からドイツ・ロシア・カナダのイヌイット・インド・ネパール・日本の模型を展示する。模型はドールハウスのように細部が作り込まれ、家の詳細をよく理解することができる。
ほかに清潔さと器具配置の合理性、英国産の大きなガスストーブが特徴で、上流社会における台所の模範とされたという「大隈重信邸台所」など、須崎さんが所蔵する近代日本の台所に関する文献や、技術革新によって開発され、日本住宅公団に採用された「ステンレス深絞り流し台」なども展示する。
開館時間は10時~18時。水曜、8月10日~15日休館。入場無料。8月24日まで。