新天皇陛下の即位を記念した展示会「皇室の銀製ボンボニエール展~手のひらサイズの金工芸術~」が現在、「宮本商行銀座本店」(中央区銀座1)店舗内ギャラリーで開催されている。
ボンボニエールは砂糖菓子を入れる小箱のこと。皇室や宮家は明治以来、慶事の際に意匠を凝らしたボンボニエールにコンペイトーを入れて引き出物としてきた。
宮本商行は明治時代からさまざまなボンボニエールを納入してきた宮内庁御用達の老舗で、「皇室の銀製ボンボニエール展」では個人のコレクションから同展のために借り受けた、同社製の品を含む40点のボンボニエールを展示する。
宮本商行店舗担当の宮寺純子さんは「その意匠もさまざまで、金工職人の高い技術が凝縮されているボンボニエールを通じて、皇室のご慶事の歴史と日本の金工の技をご覧いただける。特に昭和初期ごろまでの品は造形や意匠に凝った品が多く、見ているだけで楽しい気持ちになるのでは。モチーフには古くからの日本の吉祥文や文物、時にはご依頼主さまにまつわる品やエピソードが取り入れられており、皇室の方々の雅(みやび)な世界や遊び心がうかがえる」と話す。
皇室のボンボニエールの制作を行う業者は依頼された数以上を作ることを許されておらず、現品をサンプルや資料などとして保存することもできないため、同社でも制作したボンボニエールは一つも所有していないという。
「銀製ボンボニエールには時を経た銀器特有の落ち着いた輝きがあり、銀製品や金工の奥深さを感じていただける。これを機に皆さまに銀製品や日本の伝統的な金工の世界に興味を持っていただければ」と宮寺さん。
開催時間は10時30分~18時30分。入場無料。日曜・祝日休業。7月10日まで。