「天守物語」と「グランドシネマ『日本橋』」の「シネマ歌舞伎」が東劇(中央区築地4)ほかの映画館で7月5日~11日と8月23日~29日、泉鏡花没後80年企画として上映される。
松竹(築地4)が開発したシネマ歌舞伎は、歌舞伎の舞台を撮影してスクリーンで上映するもの。「美」と「臨場感」にこだわり、劇場で生の歌舞伎を見ているかのような感覚を再現することを目指している。「天守物語」「グランドシネマ『日本橋』」の上映は、シネマ歌舞伎を毎月上映する企画「月イチ歌舞伎」の一環として行われる。
松竹・演劇営業部演劇事業室の藤巻詩織さんは「『天守物語』は泉鏡花を代表する戯曲で、白鷺(しらさぎ)城の天守閣にある異界の主である富姫と、鷹匠(たかじょう)の図書之助との恋を描いた作品。鏡花の愛した、異界や妖怪といった幻想的な世界をお楽しみいただける。「グランドシネマ『日本橋』」は坂東玉三郎の特別公演として上演された舞台で、大正の初めの日本橋で医学士の葛木をめぐる2人の芸者お孝と清葉の人間模様を描いた作品」と解説する。
7月6日には東劇で、宇野亞喜良さんと山本タカトさんによる「天守物語」トークイベント付き上映も予定する。