企画展「椅子の神様 宮本茂紀の仕事」が9月5日、LIXILギャラリー(中央区京橋3)で始まる。
椅子張り職人・モデラーの宮本茂紀さんは1937(昭和12)年生まれ。椅子張り職人としての修業の後、1966(昭和41)年に五反田製作所を創業し、国内外のブランド家具のライセンス生産を行ってきた。徒弟時代から多くの修復の仕事にも従事した宮本さんは迎賓館の改修工事などの経験を通じて、日本の洋家具草創期から今日に至る椅子作りの変遷にも精通している。
同展では宮本さんが携わった数多くの仕事を「モデラーの仕事」「修復や自ら手掛ける椅子開発を含む椅子張り職人の仕事」「次世代を育てる仕事」の3つに分類。それぞれ数例を試作開発の具体的な取り組み方と共に紹介する。
会場では2019(平成31)年4月に発表された佐藤卓さんのデザインによるソファ「SPRING」を試作品と共に紹介。自然素材と伝統技術にこだわった数年越しの企画である「SPRING」は、佐藤さんによると「宮本さんの職人技を主役にした1脚」だという。
ほかに、ザハ・ハディドさんの「Fluffy Chair」や小柄な妻の「合う椅子がない」という言葉がきっかけで生まれた「Mychair」、明治村から依頼された「竹塗蒔絵(まきえ)小椅子」の実資料などを展示する。
開館時間は10時~18時。水曜定休。入場無料。11月23日まで。