明治時代に開発され、現代まで使用される大日本印刷(DNP)のオリジナル書体「秀英体」をテーマにした企画展「秀英体100」が現在、「ggg(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)」(中央区銀座7、TEL 03-3571-5206)で開催されている。
秀英体は、1912(明治45)年に秀英舎(現・DNP)が完成させた明朝体で、築地体と並んで「明朝活字の二大潮流」と称される。1976(昭和51)年にデジタル化し、1992年に「平成の大改刻」に着手するなど印刷技術の変化に合わせて改良を重ね、現在までに「広辞苑」(岩波書店)や数多くのベストセラー、芥川賞受賞作の本文に利用される。筆跡や運筆を再現した文字同士の「つながり」が特徴。
同書体の生誕100年を記念した同展。ギャラリー1階では、秀英初号明朝、秀英明朝、現在開発中の秀英角ゴシック・丸ゴシックを使ったポスターを展示。日本人デザイナー24人とデンマークのデザインニュニット1組が、「四季」をテーマに秀英体の魅力を紹介する。
展示されるのは、定番フォント「ヘルベチカ」に秀英体による「秋」の文字を浮かび上がらせた作品(原研哉さん)、「春」の文字をロールケーキのように円形に立体表示した作品(中村至男さん)、小林一茶の言葉を雪の結晶に見立てた作品(澁谷克彦さん)など。
営業時間は11時~19時(土曜は18時まで)。日曜・祝日休館。入場無料。1月31日まで。