東京国立近代美術館フィルムセンター(中央区京橋3、TEL 03-5777-0600)で5月27日、EUに加盟する22カ国の大使館からの推薦映画を上映する映画祭「EUフィルムデーズ2011」が開幕する。
今年で9回目を迎える同映画祭は、日本とEUの市民交流の促進を目的に、「日・EUフレンドシップウィーク」の一環として毎年開催。今年は同施設を皮切りに、京都、広島、岡山など全国6カ所を巡回する。昨年の東京会場への来場者数は約1万人。
参加するは、EUに加盟するオーストリア、ベルギー、ブルガリア、チェコ、ドイツ、エストニア、スペイン、フィンランド、フランス、イギリス、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、リトアニア、ルクセンブルク、ラトビア、オランダ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スウェーデンの大使館で、各国を舞台に制作された映画作品の中から、各大使館が推薦する1本(フランスは2本)を上映する。
「国によって映画の製作状況が異なる」ため、出品作の製作年は1994年から2010年まで幅広い。作品は「それでも恋するバルセロナ」(スペイン、ウディ・アレン監督)、「アンナと過ごした4日間」(ポーランド、イエジー・スコリモフスキ監督)など劇場公開された人気作から、ウィーンで暮らす移民を主人公にした「トト」(オーストリア、ペーター・シュライナー監督)、画家エル・グレコの生涯をクレタ島出身監督が描く「エル・グレコ」(ギリシャ、ヤニス・スマラグディス監督)など日本初公開作までの23作品。
フランス大使館は、映画関係者が集う新宿ゴールデン街のバー「ラ・ジュテ」の常連客6人を描いた「シックス」(チャーラ・ゼンジルジ監督、ギョーム・ジョヴァネッティ監督)を出品。同作は東京初公開となる。
関連イベントとして5月28日、スコリモフスキ監督、ヴァーグヴルジ・B・アンドラーシュ監督(ハンガリー)が来日し、それぞれトークショーを開く。
欧州連合代表部広報部部長ルディ・フィロンさんは「EUフィルムデーズは、めったに見る機会のないヨーロッパの国々の映画を一度に見て、ヨーロッパの多様な文化や言語に触れることができる機会。ぜひ足を運んでもらいたい」と来場を呼び掛ける。
入場料は一般500円ほか。6月19日まで。