マカロン2000個を敷き詰めた巨大クリスマスツリーが12月1日、帝国ホテル 東京(千代田区内幸町1)地下1階アーケードに登場した。
同アーケードでは昨年から、食べられるアートを紹介する「スイーツアート展」を展開。昨年は、3メートルのケーキ製ツリーを展示した。スイーツとは思えない「リアルさ」「大きさ」が話題を集め、来街者数は「例年の3~4倍に増えた」(同アーケード内「マユヤマジュエラー」取締役の繭山達也さん)という。
今年のマカロンツリーは、昨年アーケードで併催したコンペ「第1回IHA杯」で金賞に輝いたスイーツアーティスト田邉美佐紀さんによるもの。ピンクのマカロン風モチーフ2000個をグラデーション状に敷き詰めた高さ4メートルのツリーで、11月初めから制作を開始。田邉さんが主宰する教室「Mammy Sugar Art」のスタッフ、生徒らが協力し、延べ150人が1カ月かけて完成させた。2000個のマカロンパートだけでも150キロの砂糖を使い、土台部分には花やリボンをモチーフにした細かい装飾も展開。4つのパートに分割して2トントラックで搬入した。
ツリーは地下1階へのらせん階段の中央に設置。そばでは、昨年の上位入賞者4人がクリスマスストーリー一話にちなんだ世界をシュガーアートで表現する。ラジコンカーやトランペットなど細部まで「リアルさ」にこだわった作りが特徴で、「シュガーアート業界では細かい装飾が評価され、リアルな作品はあまりない。皆さんが『昨年の作品に負けたくない』という思いで制作し、力強い作品が並んでいる」と田邉さん。
アーケード一帯のショップ店頭では「第2回IHA杯」も展開。アーティスト30人によるシュガーアート、マジパン、あめ細工作品全30点がショーケースに並ぶ。コンペはアーケード内の店主らが優秀作を選出するもので、今年は来場者からも投票を募る。アーケード内にはシュガーアートによる直径80センチの「リース」を隠す仕掛けも。
ツリーについて、田邊さんは「大変な仕事はこれまでも多く引き受けてきたつもりだが、今回はあまりに大物過ぎてくじけそうになった。細かい装飾も『(大変すぎて)失敗だったかな』とも思ったが、スタッフの支えで完成にこぎ着けることができた」と振り返る。同所では老若男女が足を止め、大きなツリーに見入ったり、記念撮影をしたりする姿がひっきりなしに見られる。
アーケードの営業時間は10時~19時(日曜・祝日は17時まで)。鑑賞無料。12月25日まで。