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ブックデザインの先駆者・杉浦康平さん、銀座で「曼荼羅」主題に限定本展

1階会場では、「伝真言院両界曼荼羅」を紹介(写真:藤塚光政さん)

1階会場では、「伝真言院両界曼荼羅」を紹介(写真:藤塚光政さん)

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 「ggg(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)」(中央区銀座7、TEL 03-3571-5206)で12月1日、日本のブックデザイン史を代表するデザイナー杉浦康平さんに焦点を当てた「杉浦康平・マンダラ発光」展が始まった。

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杉浦さんは1932(昭和7)年東京に生まれ、東京芸術大学で建築を学んで1950年代後半にデビュー。非広告系ビジュアルデザインのパイオニアの一人として知られ、60~70年代を中心に雑誌だけでも「遊」「銀花」「SD」「噂の眞相」など2000冊以上のビジュアルデザインを手掛けた。

 80年代以降は中世、近代日本の図案やアジアの図像研究でも活躍し、アジア固有の世界観を取り入れたデザインワークも特徴に。「日本のかたち・アジアのカタチ」「多主語的なアジア」などの自著があり、毎日芸術賞、紫綬褒章(しじゅほうしょう)など受賞歴も多数。

 同ギャラリーでは杉浦さんの雑誌デザインに着目した「疾風迅雷」展を2004年に開催。今回は武蔵野美術大学で開催中の大型展「杉浦康平・脈動する本」に合わせて、杉浦さんのブックデザイン群の中でも「格別の光彩を放つ」という「曼荼羅(まんだら)」を主題に造本した3冊の限定本にフォーカスする。

 限定本は、日本最古の彩色まんだらを扱う「伝真言院両界曼荼羅(でんしんごんいんりょうかいまんだら)」、ボッティチェルリの画集「天上のヴィーナス・地上のヴィーナス」、ソナム・ギャツォ(ダライ・ラマ3世)著「西蔵(せいぞう)<曼荼羅>集成」の3冊。会場では、現在では入手困難な3冊を展示するとともに、各著に掲載される作品の写真をパネル展示し、杉浦さんのコメントも紹介。併せて杉浦さんが両界曼荼羅、ボッティチェルリの『春』、チベットマンダラにちなんで制作した映像作品も上映する。

 開館時間は11時~19時(土曜は18時まで)。日曜・祝日休館。入場無料。

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