築地・新橋演舞場別館1階にカモ料理専門店「鴨亭(かもてい)」(中央区築地4、TEL 03-6264-0504)がオープンして1カ月が過ぎた。
店主は椎原龍正さん。両親である三郎さん・重子さん夫妻は1975(昭和50)年、茨城・筑波山の山裾でカモの養殖業を始めた。当時カモの養殖は「今より少なく珍しかった」ことから新聞などでも紹介され、人々が見学に訪れるようになった。見学者からの要望を受け、養殖業開始から2~3年後に高台に小さなカモ料理店「鴨亭」を開いた。
千葉、埼玉、東京などからの来店客も多かったことから、「カモ料理で都会の人に喜んでもらえれば」との思いで東京初進出を果たした今回。筑波山の鴨亭を長年手伝ってきた龍正さんが独立する形で出店した。
店舗は新橋演舞場別館1階の路面。木材を縦に並べたファサードが特徴で、店内は濃茶の木材と薄茶の土壁などを使って「落ち着いた」雰囲気に仕上げた。店舗面積は約20坪。キッチンに面したカウンター8席を含めて24席を用意する。
フードメニューはカモ料理が主力で、カモの胸肉と野菜を焼き上げる定番「石焼き」をアレンジした「陶板焼き」、カモのすき焼き、カモのしゃぶしゃぶ(以上、1人前1,800円)など。スパイスに漬け込んだもも肉を低温のカモ脂で6時間加熱した「もものコンフィ」(1,200円)、カモの砂肝とニンニク炒め(600円)、皮を炙(あぶ)った胸肉のスライスを使った「鴨のたたき土佐風」(1,500円)など同店オリジナルメニューも並ぶ。
ドリンクは、カモ料理に合わせて選んだという重めの赤ワインを中心に、日本酒、焼酎なども用意。生ビールは700円。ターゲットは近隣で働くサラリーマンなどで、半個室席も設けて接待利用にも対応する。
客単価は、昼=980円、夜=6,000円程度。オープンから1カ月。「この1カ月はとにかくハードだったが、だんだん慣れてきた」と龍正さん。「カモは世界中で食べられている料理。基本的には和食店だが、コンフィや北京ダック風など世界のスタイルを取り入れて、おいしいカモを食べてもらいたい」と話す。「カモ料理の合間に食べられるメニューも充実させ、食事にリズムを付けていければ」とも。
営業時間は11時30分~14時30分、18時~23時。日曜定休。