「ポーラ ミュージアム アネックス」(中央区銀座1、TEL 03-3563-5501)で9月15日、ロボットデザイナーの松井龍哉さんが震災を経て提案する「環境と人工物の理想関係」を示すインスタレーション展「花 鳥 間(かちょうま)The space of flowers and birds」が始まった。
松井さんは1969(昭和44)年東京生まれ。1991年に日本大学芸術学部を卒業後、丹下健三・都市・建築・設計事務所を経て渡仏。科学技術振興事業団でヒューマノイドロボット「PINO」などのデザインに携わった。2001年にフラワー・ロボティクス社を設立し、結婚式のフラワーガールに着想を得た「幸せを象徴する」ロボット「Posy」、マネキンにロボットの技術を組み込んだ「Palette」などを開発。ほかに黒と白の機体が特徴の航空会社スターフライヤーのトータルデザインや、ダンヒル銀座本店の店舗設計、KDDI「iida」のコンセプトモデル「Polaris」の開発などを手掛け、MOMA、ベネチア・ビエンナーレなどでの出展も数多い。
もともとはロボットについて「現実的な生活シーンと技術を組み合わせてソリューションを生み出すもの」という意識があったという松井さん。昨年の震災では「科学技術が自然をおろそかにしていた結果。人が作り出すものは自然に対してもっと謙虚であるべき」と再認識したという。同展では、四季の花や鳥を描いた日本画の総称「花鳥画」に着目。木製フレームに生花などをあしらい、体を左右に回転させる「Bird robot」をレイアウトしたインスタレーションで、「環境と人工物との程よい理想関係」を提案する。
ほかに「Posy」「Palette」などの代表作の展示や、松井さんのインタビュー映像の上映も。関連企画として期間中、松井さんらが作品についての説明を行ったり、環境・エコなどについて話をしたりするギャラリートークも予定する。参加無料。要申し込み。
開催時間は11時~20時。入場無料。会期中無休。10月21日まで。