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料理研究家・辰巳芳子さんの実録映画、有楽町で10日連続「満席」に

「天のしずく」(2012年/113分/配給=環境テレビトラスト/©2012天のしずく製作委員会)

「天のしずく」(2012年/113分/配給=環境テレビトラスト/©2012天のしずく製作委員会)

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 ヒューマントラストシネマ有楽町(千代田区有楽町2、TEL 03-6259-8608)で現在公開中の料理家・辰巳芳子さんのドキュメンタリー「天のしずく」が10日連続で「満席」となり、単館映画としては異例のヒットを記録している。

「天のしずく」より

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 現在87歳の辰巳さんは料理研究家の草分けだった母・浜子さんの傍らで家庭料理を学び、食材を「自然風土の恵み」として、料理を通して「本物の食」を追求する。嚥下(えんげ)障害のあった実父に向けたスープのレシピや食への姿勢をまとめた書籍「あなたのために~いのちを支えるスープ~」(2002年)でも知られ、現在は「良い食材を伝える会」「カイロス会」「確かな味を造る会」などの会長を務める。

 監督は元NHKドキュメンタリー番組のディレクターで、チベット密教の死後の世界にフォーカスした「チベット死者の書」、貨幣のあり方の根源を問いかけた「エンデの遺言」などで知られる河邑厚徳さん。構想4年、撮影に1年半をかけて、辰巳さんが「食」「料理」を通じて伝える「普遍的な愛」を記録していった。

 11月3日に同館ほか、東京都写真美術館などでロードショーが始まった。公開2週目の週末を迎え、全国で1万3000人以上を動員。同館ではシアター2(62席)で2回上映し、11月5日から同15日まで10日間連続の「満席」を記録した。11月17日からはこれを受け、上映1回分をシアター1(161席)に切り替える異例の対応が決まっている。

 同館公式ツイッターには、「今日も見られなかった」「感動した」「食の大切さを考え直す」などの声が寄せられており、公式ホームページでは混雑状況を報じて事前予約を勧めている。来場客はシニア層を中心に、学生など女性が8割を占めているという。

 「辰巳さんのドキュメンタリーといえば料理の映画と思われるかもしれないが、作中での辰巳さんの姿や言葉は現代社会が失った大切なものを伝えている。それが今回のヒットにもつながっているのでは」と宣伝担当の有田浩介さん。「私自身もこの作品を通して仕事への取り組み方を変えた。それぞれの状況によっていろんな捉え方ができる映画なので、忙しく働く男性の方などにもぜひ見てもらえれば」と話す。

 同館での上映時間は10時25分~、13時20分~(11月24日以降の上映スケジュールは劇場まで)。

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