5月31日に閉館が迫った銀座テアトルシネマ(中央区銀座1)でクロージング作品となる「天使の分け前」の上映が始まり、初日・2日目の上映9回が満席となったのに続き、平日昼間も満席になるなどのにぎわいを見せている。
グレートハイランドバグパイプ奏者・糟谷肇さん(東京パイプバンド)
4月 25日には「さよなら!銀座テアトルシネマ×スコティッシュナイト」と題した関連イベントの開催も決まった。
同作品はケン・ローチ監督作品で、スコットランドのウイスキー蒸留所が主な舞台。「さよなら!銀座テアトルシネマ×スコティッシュナイト」では、スコットランドの伝統楽器であるグレートハイランドバグパイプの奏者・糟谷肇さん(東京パイプバンド)による演奏とトークを予定。演奏曲は当日までシークレットとなっている。
イベント当日は劇場スタッフがスコットランドの伝統的なキルトの正装を披露するほか、同館支配人・野崎千夏さんのあいさつも予定し、閉館までの約1カ月を盛り上げる。
同館は1947(昭和22)年開館の木造の映画館「テアトル銀座」がその始まりで、シネマスコープ全盛の1955(昭和30)年には「テアトル東京」という大劇場となり、70ミリの「ベン・ハー」などを上映。ミニシアター黎明(れいめい)期の1987(昭和62)年に「銀座テアトル西友」としてオープンし、現在の形に至る。銀座1丁目に根付いた映画館として、長らく映画ファンに愛されてきた。
野崎さんは「27年間、劇場を支えてくださったお客さまへの感謝の気持ちでいっぱい。『天使の分け前』は劇場からの恩返しのつもりで日々上映している。最後にスクリーンでご鑑賞いただき、劇場の思い出として記憶にとどめていただけたら」と話す。
同館では5月11日から、「銀座テアトルシネマ『さよなら興行』1987年-2013年 27年の軌跡」と題し、「トーク・トゥ・ハー」「昼顔」「麦の穂をゆらす風」など、過去の上映作品から選んだ全25タイトルを上映する。