山形県のアンテナショップ「おいしい山形プラザ」(中央区銀座1、TEL 03-5250-1750 )で5月20日、同県庄内地方の名物料理「孟宗(もうそう)汁」の無料配布が行われ、雨にもかかわらず配布開始から約1時間半で2つの大鍋に用意した450食を配り終えた。
同店では山形県の伝統食文化を銀座で多くの人に体験してもらうため、定期的に「寒鱈(かんだら)汁」、「芋煮汁」、「納豆汁」など同県の旬の食材を使った汁物料理を振る舞うイベントを開いている。
9回目となる今回は、4月下旬~5月末が旬となる庄内地方谷定地区産の孟宗竹約80キロ、庄内産の米の娘(こめのこ)豚、シイタケ、麹みそ、酒かす、厚揚げを使った「孟宗汁」に多くの人が舌鼓を打った。
偶然通りかかり、孟宗汁の匂いに引かれたという30代女性は「今日は肌寒いので体が温まる」とほほ笑み、60代男性は「とてもおいしい。もうおかわりしてしまい、これで2杯目」と顔をほころばせた。
副店長の保科義和さんは「皆さんに召し上がっていただいた『孟宗汁』は、朝採りのタケノコを使っているため、あく抜きの必要がなく、うま味が多く含まれているゆで汁も使っている。化学調味料は使わず、麹(こうじ)みその甘みと酒かすの香り、庄内米を食べて育った米の娘豚のうま味も楽しめる」と話す。
「山形の汁物料理は、鍋を囲むことで人たちがつながり、楽しく毎日を過ごすという独特の食文化。銀座発の山形文化で多くのお客さまが笑顔になれれば、関係者スタッフ一同、『やっていがったなって思うべな』(やってよかったと思うでしょう)」とも。