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「歌舞伎は旅する大使館」展後期企画-今年の平成中村座NY公演も紹介

木挽町ホールで展示する「連獅子」の衣装や小道具、かつら ©松竹株式会社

木挽町ホールで展示する「連獅子」の衣装や小道具、かつら ©松竹株式会社

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 歌舞伎座タワー(中央区銀座4)5階の歌舞伎座ギャラリー(TEL 03-3545-6886)で現在、「歌舞伎は旅する大使館 」展の後期企画として、「歌舞伎ファンを世界に」が開催されている。

木挽町ホールで展示する「藤娘」の衣装

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 「歌舞伎は旅する大使館」展は、1978(昭和53)年オーストラリア公演の劇評の一節に由来する歌舞伎海外公演のキャッチフレーズ「歌舞伎は旅する大使館」を展覧会名に採用し、松竹大谷図書館の所蔵資料を中心に、86年間にわたる歌舞伎海外公演の足跡を前後半に分けて振り返るもの。

 1928(昭和3)年の第1回ソ連公演から1989年の第30回訪欧公演までを取り上げた前期の「海外公演、その輝かしい歩み」に続き、「歌舞伎ファンを世界に」では、1990年の公演から今年7月に行われた平成中村座ニューヨーク公演までを取り上げる。

 会場では、歌舞伎とニューヨークの関係を紹介したコーナー、1990年~2014年の全37公演を、劇場の様子や現地劇評、チラシやポスターを交えながら紹介する長さ約20メートルの海外公演年表のほか、大道具などのスタッフの仕事の中身や、彼らが体験したエピソードを紹介する「海外公演スタッフ図鑑」などを展示する。

 ギャラリー奥の木挽町ホールでは、1990年~2014年の24年間に海外で上演された演目のうち、上演回数が多かったトップ3の「連獅子」「藤娘」「棒しばり」の3作品に焦点を当て、舞台で使われている衣装や小道具、かつらなどを展示。ほかに6世中村歌右衛門による画「愛犬の花子」や歌舞伎の化粧「隈(くま)取り」を、布を当てて写し取った「押隈」の展示や、「半鐘」「締太鼓」などの歌舞伎で使われる楽器に挑戦できるコーナーも。10月中旬には「隈取り」を描いてみる「隈取体験処」を設ける予定。

 松竹演劇開発企画部・歌舞伎座ギャラリー室長の田野暦子(としこ)さんは「歌舞伎が、初めて見る海外の観客をどう魅了したかを発見できる展示になっており、今夏のニューヨーク公演を紹介したコーナーでは、現地の興奮や舞台裏の様子がリアルに伝わってくる」と話す。

 「ひのき舞台に展示された『連獅子』の世界は間近で見ると迫力があり、日本人の色彩感覚の見事さをあらためて感じる。昔からクールジャパンを世界に広めてきた歌舞伎の歩みを、ぜひご覧いただければ」とも。

 開館時間は10時~18時(10月24日は14時~)。入場料は、一般=600円、小・中学生=500円、小学生未満無料ほか。1月25日まで(12月27日~1月1日は休館)。

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