銀座のスパンアートギャラリー(中央区銀座2、TEL 03-5524-3060)で11月20日、グループ展「トリックオブジェの世界」が始まった。
同ギャラリーオーナーの種村品麻さんは「来場者参加型の展示をやりたいと思い、遊び心やアミューズメント要素のある『トリックオブジェ』に着目した」と話す。
参加作家は、「立体画家」のはがいちようさん、立体造形作家の桑原弘明さん、マンタムさん、山脇隆さん、百武朋さん、内林武史さん、オブジェ作家の菊地拓史さん、人形作家の木村龍さん、緋衣汝香優理さん、上野シゲユキさん、フィギュア作家の矢沢俊吾さん、画家の北見隆さんの12人。加えて、立体造形作家の荒木博志さんが特別出展する。
会場には、荒木さんの作品で篠山紀信さんの作品集「T邸の怪」の表紙にも登場し、実際に人が座ることができるという「Chairman」(個人蔵)、桑原さんの作品でゼンマイ仕掛けで背景が移動し、天使の羽が動く「ラピスの天使」(54万円)、1940年代前半の蓄音機と豚の頭部を用いて作ったという、マンタムさんの「Po noc #2」(59万4,000円)、昭和30年代中盤の「トキワ荘」をイメージした漫画家の家「青春の北池袋-あるマンガ家の部屋-」(324万円)など約30点を展示する。金魚が揺れる仕組みになっている、木村さんの「金魚のお姫さま」(54万円)、古い時計の動力を使って作った、菊地さんの「不規則な約束(と2つの鍵)」(16万2,000円)、人間だったときの記憶を持つロボットの兄妹を表現した、山脇さんの「TALK TO HER」(37万8,000円)なども。
ぱっと見て目を引く作品が多いことから、ギャラリーの前で足を止める歩行者も多く、特に外国人の反応が良いという。
「多様なジャンルの作家が参加しているので、それぞれの作品が持つトリックやギミックの違いを楽しんでほしい。実際に来て見てみないと分からない作品なので、ぜひこの機会に足を運んでいただき、普通のオブジェでは味わえない創作的な世界を楽しんでいただければ」と種村さん。
開廊時間は11時~19時(最終日は17時まで)。日曜休廊。入場無料。12月6日まで。