東芝(港区)は9月19日、子会社である東芝不動産(港区)が保有、数寄屋橋交差点の銀座東芝ビル(中央区銀座5)土地・建物を東急不動産(渋谷区)に売却すると発表した。
1934年に建設された銀座東芝ビルは当時「マツダビルディング」と呼ばれており、東芝の前身である東京電気が本社拠点の建築用地として同地を共同建物(東芝不動産前身)が同地の貸与を受け建築したもの。1階にはマツダランプ(東芝ライテック前身)のショールームが置かれ、当時としては最先端の電気空調完備などが整えられていたことなどで知られる。現在は東芝保険サービスなどがオフィスを構え、地階・地下2階には飲食店などが多く入居。
同ビルは地下4階、地上9階建てで延床面積は4万415平方メートル。売却額は1,610億円で、東急不動産が組成した特別目的会社(SPC)と売買契約を結び10月下旬の引き渡しを予定、「将来的な建て替えを視野に入れている」(東急不動産広報担当者)という。東芝は売却の理由を「売却による資産価値の最大化を図り企業価値の向上に役立てる一方、銀座地区という立地条件にふさわしい活用を行うため」と説明している。