毎日新聞の夕刊で連載された「しあわせ食堂」の挿絵を担当する武内ヒロクニさんの個展が3月15日より、銀座のギャラリー2店で開催される。会場となるのは、ギャラリーゴトウ(中央区銀座1、TEL 03-6410-8881)とギャラリー枝香庵(銀座3、TEL 050-3452-8627)。
連載では、西川きよしさん、藤田まことさんなど50人の著名人の「食」にまつわる思い出話と、武内さんの挿絵を2006年4月から3年間にわたり計150回紹介してきた。思い出話を取材した新聞社から届いた原稿をもとに武内さんの妻が料理を作り、その料理を食べて思い浮かんだアイデアを挿絵として武内さんが描く。その独特なタッチと色使いは「挿絵らしからぬ絵」と武内さん自身が語るほど。
1937(昭和12)年、鹿児島県・徳之島生まれの武内さんは19歳で画家を目指した。神戸に住まいを移し、1971(昭和51)年には南京町にロック喫茶「VOXヒコーキ堂」をオープンし、1977(昭和52)年からは色鉛筆画家としての活動を開始した。
ギャラリーゴトウの後藤さんは「暗いニュースが多い中、なんて元気をもらえる作品なんだろうと衝撃を受けた」と武内さんの作品を初めて見た感想を振り返る。神戸のギャラリー島田さんから紹介を受けた後藤さんは即座に同ギャラリーでの展示を決めた。「東京の作家ではあまり見ない作品」と武内さんの作品を評する。
今回展示するのは約60点の「しあわせ食堂」挿絵原画と「色鉛筆曼荼羅」で、2画廊で同時開催する。「しあわせ食堂でコラボした著名人にも見ていただけるよう声をかけている。東京での展示は今回が初めてなので、ぜひお越しいただければ」と後藤さん。
開廊時間は、ギャラリーゴトウ=11時30分~18時30分(最終日は16時30分まで)、ギャラリー枝香庵=11時30分~19時(最終日は17時まで)。共に日曜休廊。今月27日まで。