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築地場外市場の有志30人が石巻へ-おでんなど2千人分を炊き出し

築地の商店主・従業員など合わせて約30人が石巻に足を運んだ

築地の商店主・従業員など合わせて約30人が石巻に足を運んだ

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 築地場外市場約30店舗の有志が4月10日、宮城県石巻市で被災者へ向けた炊き出し活動を行った。

「松露」スタッフらによる卵焼き作りの様子

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 発起人は築地を拠点にかつお節の製造販売を行う「和田久」(中央区築地4)社長の和田さんで、築地場外市場の商店主らによるNPO法人「築地食のまちづくり協議会」が主催する。築地では東日本大震災の影響を受けて来客数が減少。厳しい状態にある中、「食のまち、築地ができることはシンプルに炊き出し」との思いから、干物、魚介類、海産物、加工食品、のりなど、幅広い業態から約30店舗の有志が団結し被災地へ向けて炊き出し隊を結成した。

 現地での協力と物資輸送については東京青年会議所の協力を得た。4月10日午前2時に出発し、日本有数の大漁港「石巻漁港」も大きな被害を受けたと報じられる石巻へ。炊き出しの拠点は事前に和田さんが現地を訪れ、地元の自治会長と相談して水明町民会館に決定した。

 炊き出しは同日正午から15時まで開催。内容はおでん約2,000食、卵焼き約2,500食、水炊き約1,500食、アジの干物400食、フランクフルト、おにぎり各2,500食。会館には2,000人以上の被災者が集まり、「本当においしい」などの声が上がったという。そのほか、場外市場各店舗が提供したつくだ煮、サケフレーク、のり、お茶、水、波除神社お守り、生活物資、おもちゃなどを配布した。

 まちづくり協議会事務局長によると、メンバーからは「現地の人が喜んでくれて良かった」「実際に行ってみて、今回の地震の被害状況の大きさには言葉を失った。帰りの車の中では音楽を聴く気にもなれず、気分がブルーだった」などの感想が寄せられたという。

 築地場外市場ではこのほか、募金活動で集めた約204万円を震災義援金として日本赤十字社を通じて被災地に寄付。今月30日には、「元気を出そう!築地から」と題して波除通りなどを拠点にチャリティー物販、炊き出し、風評被害を受ける食材の販売などを展開する応援企画も実施する予定。開催時間は10時~14時(売り切れ次第終了)。

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