築地場外市場に11月2日、東京伊豆諸島の魚、野菜、加工品などを取りそろえ、イートインスペースも有する複合店「東京島市場・島食堂」(以上、中央区築地4、TEL 03-3545-6400)がオープンした。
メダイなどの白身魚を島とうがらし入りの特製だれに漬け込んだ「ベッコウ丼」
竹芝客船ターミナル内で伊豆諸島・小笠原諸島のアンテナショップを運営する「東京ウェルケア」(大島町)が手掛ける。市場移転に向けてエリアの活性化に力を入れる築地場外市場が、場外に「東京の魚が少なかった」ことから打診。「島に眠っている素晴らしいものを提供できる場になれば」との思いで出店に至った。
店舗代表を務めるのは、大島町で12年町長として活躍した藤井静男さん。在職中には大島の地域ブランド育成にも注力した藤井さん。昨年町長を引退し、「今まで培ってきた人脈を生かし、伊豆諸島全体を考えたこれまでできなかったことやりたい」と同社で観光事業に取り組む。
場所は波除通り沿いの千社額棟路面の一部で、今年9月にオープンした山口県のアンテナショップ「Bucch-ine(ブッチーネ)」の隣。路面の7坪を「島市場」として、島直送の鮮魚、農産物、加工品などを販売。施設奥にイートインスペース「島食堂」と調理スペース各7坪を構え、市場で購入した魚をさばくサービスなども行う。席数は20席。
島市場で取り扱うのは、前日に水揚げされたタカベ・キンメダイ・カツオ・イサキなどの鮮魚や、じねんじょ・島トウガラシ・ダイダイなどの野菜・果物類、くさや・つばき油・島焼酎などの加工品など。食堂では、しょうゆベースの特製だれに漬け込んだ白身魚の切り身を盛り付けた「ベッコウ丼」(1,000円)、サザエチャーハン(900円)、刺し身とフライを盛り込んだ日替わり定食(1,000円)などを提供。島焼酎(400円)、つまみメニューなどもそろえる。
現在は50~60代の男女の購買が目立つといい、「飲食店からの仕入れにも使ってもらえるようになってきた」と藤井さん。「島には埋もれている素材がまだまだたくさんある。知られていない島の味わいを長く紹介していければ」と話す。
営業時間は7時~14時(島食堂は8時30分~)。年中無休(島食堂は日曜・隔週水曜定休、年内は無休)。