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フィルムセンターでMoMA映画コレクション-画質にこだわり23作品

マーティン・スコセッシ監督が両親を撮ったドキュメンタリー「イタリアン・アメリカン」

マーティン・スコセッシ監督が両親を撮ったドキュメンタリー「イタリアン・アメリカン」

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 東京国立近代美術館フィルムセンター(中央区京橋3、TEL ハローダイヤル
03-5777-8600)で現在、MoMAの通称で知られるニューヨーク近代美術館の映画コレクションを紹介する特集上映「MoMA ニューヨーク近代美術館 映画コレクション」が行われている。

「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ」

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 今回の特集は映画の保存機関としても先駆的な業績を誇るMoMAの「コレクション」に目を向けたもので、「世界屈指の映画コレクションを最良のプリントで上映する」がコンセプト。

 同センター主任研究員の入江良郎さんは「映画は複製芸術だが1本1本の画質の違いなどを観客が意識するようになったのは日本ではまだ近年のことで、特に古い時代の映画は画質が悪くて当然と誤解されてしまうことさえある。本企画ではプリントのクオリティーを作品の真価にも関わるものと見なし、啓発の意味も込めて『美しいヴィンテージ・プリントでの上映』をうたっている」と話す。

 上映されるのは、19歳のウォルト・ディズニーが自ら手掛けたアニメーション「ニューマン劇場のお笑い漫画」、フレッド・アステア主演の「バンド・ワゴン」やジャック・レモンの映画デビュー作「有名になる方法教えます」など1950年代ハリウッドの黄金時代を彩る作品、イタリア系移民の家に生まれ育ったマーティン・スコセッシ監督が両親を撮ったドキュメンタリー「イタリアン・アメリカン」など23作品。
 「今回のプログラムには、1905年に撮られた『ニューヨークの地下鉄』のような映画草創期の作品でもオリジナルネガをもとにプリントを作成したケースが含まれており、MoMAの映画保存の水準の高さを物語っている」と話す入江さんのお薦めは、ジョン・ウェインの映画初主演作でMoMAによる復元作品としても名高い「ビッグ・トレイル」やスタジオ「ファクトリー」での伝説のバンド「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ」の即興演奏を記録したアンディ・ウォーホルの映画作品(オリジナルフォーマットの16ミリプリント上映)など。

 「今回上映する『ヴィンテージ・プリント』は、最も公開時の状態に近い素材から作られた、あるいはオリジナルに近いようにMoMAが復元作業を施したもので、上映作品の絞り込みは当センターの「世界屈指の映画コレクションを最良のプリントで」「本物を観(み)よう」という考え方をMoMAと共有する中で行った。MoMAとしても自信のコレクションであるといえる」

 「映画館の上映はデジタルが主流になり、オリジナルフォーマットのフィルムで映画を観賞する機会は貴重なものとなっている。言葉では表し難い光や質感の違いをぜいたくに味わってほしい」と入江さん。

 入場料は一般1,300円ほか。11月9日まで。月曜休館。

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