近畿大学(大阪府)が7月24日の「土用の丑(うし)の日」、銀座コリドー街の「近畿大学水産研究所 銀座店」(中央区銀座6)で「うなぎ味のナマズ」を使ったランチメニューを数量限定で試験販売する。
「うなぎ味のナマズ」は日本産「マナマズ」の成魚養殖技術を体系化することで、食味をうなぎの味に近づけたもの。同大学農学部水産学科の水産経済学研究室が2009年から6年にわたって研究を続けている。
ここ数年は養殖うなぎの原料となる天然稚魚の漁獲量が激減しており、昨年は国際自然保護連合(IUCN)がニホンウナギを「絶滅する危険性が高い絶滅危惧種」に指定した。
同学科准教授の有路昌彦さんは「日本産マナマズは完全養殖が可能でうなぎのような資源的問題がないが、食味がやや泥くさく脂質をほとんど有していないため、従来はウナギの味とは程遠いものだった」と話す。
同研究室の研究で日本産マナマズでも生息環境によっては脂質を多く含み、泥臭さが少ない個体があることがわかり、さらにえさと水質をコントロールすることで食味をうなぎの味に近づける方法を開発したという。
同大学では来春には「うなぎ味のナマズ」の商業利用を想定しており、将来的にはニホンウナギの半額以下の価格帯での提供を目指す。
試験販売は11時30分から。「うなぎ味のナマズ御(お)重」(2,200円)を先着30食限定で販売する。同メニューの予約は受け付けない。
有路さんは「今年5月に行ったテスト販売のアンケート調査では、約7割のお客さまから『次もまた食べたい』との回答を得ており、高い評価を頂戴していると考えている。今回の試験販売でもお客さまのご意見をいただき、さらなる品質向上に努めたい」と自信を見せる。