LIXIL(リクシル)ギャラリー(中央区京橋3)で現在、「WASHI紙のみぞ知る用と美」展が開催されている。
日本で和紙が広く作られるようになったのは、江戸時代になってから。主に原料として使われていた、楮(こうぞ)・三椏(みつまた)・雁皮(がんぴ)などの植物の靭皮(じんぴ)繊維はしなやかで粘り強く、薄くても丈夫で美しいため、さまざまな成形に向く素材として使われるようになった。
折り畳んで和傘や提灯(ちょうちん)にしたり、紙縒(こより)を編み柿渋(かきしぶ)を塗って箱ものや笠(かさ)にしたりなど、和紙にさまざまな加工を行うことで、建具・食器・衣類・玩具など、暮らしを彩る道具が作られた。
同展では木・布・皮などに代用された「変幻自在」な紙製品約80点を、「衣」「食」「住」「遊」の生活場面のコーナーに分けて紹介する。
同ギャラリー・ディレクターの筧天留(かけいてる)さんは「身近な生活の道具から細密で繊細な工芸品まで、ありとあらゆる道具を紙で作った先人たちの技術は驚異的」と話す。
「和紙を『加工』という切り口で見ることで、新たな可能性を発見したり、未来を見つめるヒントになったりすればうれしい」とも。
開館時間は10時~18時。水曜休館。入場無料。2月25日まで。