企画展「吉田謙吉と12坪の家 -劇的空間の秘密-」が3月7日、LIXIL(リクシル)ギャラリー(中央区京橋3)で始まる。
舞台美術を中心に考現学採集・装丁・文筆業などさまざまなジャンルで活動した吉田は、52歳だった1949(昭和24)年、東京・港区飯倉(現・麻布台)に片流れの屋根に赤い板壁で窓周りの白がアクセントとなった12坪(約40平方メートル)の家を自ら設計し、建てた。
ステージと観客席用のホールを持ち一般的な家とは明らかに異なる間取りのこの家を、吉田の恩師の一人だった建築学者・風俗研究家の今和次郎(こん・わじろう)は「愉快な家」と評したという。
同展では「12坪の家」の1/20の模型をはじめとする約140点の資料展示を通して、独創的な空間作りの秘密と、太平洋戦争後の苦難の時期に生きながらも、人を楽しませることが好きで自分自身も人生を楽しく謳歌(おうか)することを望んでいたという吉田の人となりを紹介する。
開館時間は10時~18時。水曜休館。入場無料。5月25日まで。