「アメリカ議会図書館 映画コレクション」が10月31日、国立映画アーカイブ(中央区京橋3)で始まる。
アメリカ議会図書館は書籍のほか地図・版画・楽譜・写真・レコードなどさまざまな資料の膨大なコレクションで知られる、世界最大の図書館の一つ。その映画コレクションは現在200 万点以上に達しており、米国最大規模。
今回は「アメリカ合衆国の精神や文化を体現している」映画を、議会図書館が主に近年に作製した35ミリプリントで上映する。
上映されるのは、傷痍(しょうい)軍人の薬物依存と失業、共産主義、労働争議、「赤狩り」などを71分の上映時間の中で語り切った大恐慌期ハリウッドの代表作「飢ゆるアメリカ」(1933年)、名監督として知られるジョン・フォードが愛国主義を風刺的に描いた戦争コメディー「ウィリーが凱旋(がいせん)するとき」(1950年)、人種差別と闘うキング牧師の約13年間をアーカイブ・フッテージから再構成したドキュメンタリー「キング モンゴメリーからメンフィスまでの記録」(1970年)、アメリカのミッドセンチュリーを代表するデザイナー・建築家であるとともに短編映画監督でもあったチャールズ&レイ・イームズ夫妻の作品を集めた「イームズ作品集」など、9プログラム・14本。
国立映画アーカイブ主任研究員の大澤浄さんは「アメリカ最大のフィルムアーカイブから、アメリカ映画の宝と言うべき作品を取り寄せて実現した上映会。とりわけ日本初上映の『キング モンゴメリーからメンフィスまでの記録』と、大きなスクリーンで上映される機会の少ないイームズ映画は必見。アメリカ映画の面白さだけでなく、それを生み出すアメリカ社会のダイナミズムをも感じ取ることができるはず」と話す。
入場料は一般1,300円ほか。月曜休館。11月10日まで。