特集上映「映画監督 河瀬直美」が12月24日、国立映画アーカイブ(中央区京橋3)で始まる。
河瀬監督は1969(昭和44)年、奈良県生まれ。大阪写真専門学校(現・ビジュアルアーツ専門学校)在学中から8ミリ、16ミリによる短編を製作し、卒業後に発表したドキュメンタリー「につつまれて」「かたつもり」で注目を集める。1997(平成9)年、初の長編「萌の朱雀」でカンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)を、2007(平成19)年の「殯(もがり)の森」では、同映画祭グランプリを受賞した。2020年東京オリンピックの公式映画監督を務めることが決まっている。
31作品(18プログラム)を上映する今回の特集上映では、「萌の朱雀」「殯の森」のほか、樹木希林さんの最後の主演作となった「あん」、現時点での最新作でジュリエット・ビノシュさん主演の「Vision」などに加え、専門学校時代の作品群を集めた「河瀬直美初期短篇(たんぺん)集」や是枝裕和監督との8mmによる往復書簡「現(うつ)しよ」など、見ることができる機会の少ない作品も上映される。
国立映画アーカイブ客員研究員の佐野亨さんは「国際的に評価の高い河瀬監督だが、日本国内での大規模な特集上映は今回が初めて。河瀬監督の作品は家族の描き方や死生観など一貫した視点があるので、まとめて見ることでより理解が深まる。上映機会の少ない作品も含まれるため、多くの回に足を運んでいただければ」 と呼び掛ける。
会期中は河瀬監督やゲストによるトークイベントも予定する。
料金は一般520円ほか。月曜、12月28日~来年1月3日休館。1月19日まで。