北村奈津子さんの個展「夢ばっかみてる」が現在、ギャラリー椿(中央区京橋3)で開催されている。
北村さんは2006(平成18)年、多摩美術大学絵画学科油画専攻を卒業。石粉(せきふん)粘土、木、和紙、陶などを素材に使った立体作品を制作し、これまで「快適なる1/3の人生の為の羊」「そこに山があるから被る」「Strange of Happiness」といったユニークなタイトルを冠した個展やグループ展、アートフェアなどで作品を発表してきた。
ギャラリー椿の田中裕之さんは「特別なことからではなく、日常の中で感じたことや疑問を、時には皮肉を交えながらも作家独自の感覚でユーモラスに表現するのが北村さんの特徴」と話す。
並び方、集まり方によって何らかの意味が生じる「群れ」を面白いと感じ、そんな群れの状況を切り取って表現することに興味があるという北村さん。今回の個展では鳥、さまざまな形の大根、いろいろな動物たちを体にのせてくつろぐ人間など、立体を中心に大小の作品約80点を展示する。
美しさの中に不思議なおかしみのある北村さんの作品の鑑賞を楽しみにする人は多く、個展初日の会場では、一点一点の作品を時にはほほ笑みながら楽しそうに眺める人たちの姿が見られた。
「それぞれの作品はもちろん、作家自身によって構成された展示空間もお楽しみいただければ」と田中さん。
開廊時間は11時~18時30分。日曜・祝日休廊。今月15日まで。