「降矢(ふりや)なな絵本原画展」が現在、教文館(中央区銀座4)9階のウェンライトホールと6階の「子どもの本の店 ナルニア国」で開催されている。
降矢さんは1961(昭和36)年、東京生まれ。スロバキア共和国のブラチスラヴァ美術大学でドゥシャン・カーライさんに師事し、石版画を学んだ。
累計216万部を発行している「おれたち、ともだち!」シリーズ、「やまんばのむすめ まゆのおはなし」シリーズなど多くの作品で挿絵を担当している。
メイン会場のウェンライトホールでは、1985(昭和60)年に刊行された絵本デビュー作の「めっきら もっきらどおんどん」から最新作「ピーターとオオカミ」まで12作品の原画約120点を展示。展覧会の副題にもなっている「めっきらもっきら どおんどん」と「ピーターとオオカミ」では、大人と子どもが一緒に物語の流れを頭から追えるように絵を展示している。ほかに「ともだちや」のフォトスポットやスロバキアでの暮らしや文化を紹介するコーナーも設ける。
第2会場の「子どもの本の店 ナルニア国」では、「どうぶつABCえほん」と「ねえ どっちがすき?」の原画約50点を展示するほか、降矢さんが手掛けた書籍や展覧会限定グッズ、描き下ろし作品を販売する。
同館スタッフの石井遥さんは「原画をじっくり見ると、『めっきらもっきら どおんどん』から絵のタッチや線が一貫していることが分かり、筆を通じてキャンバスにあふれるその揺るぎない信念に胸が熱くなる。原画ならではの絵の具の厚みやかすれ、微妙な色彩の変化を、ぜひ間近でお楽しみいただければ」と話す。
開催時間は11時~19時30分(火曜の15時までは「ベビーカー優先デー」、最終日は17時まで)。ウェンライトホールへの入場料は大人800円ほか、「子どもの本の店 ナルニア国」は入場無料。4月13日まで。