インテリア専門誌「室内」の52年を振り返る-INAXギャラリー

「木工界」と「室内」表紙や臨時増刊号など約300冊を壁一面に展示している。

「木工界」と「室内」表紙や臨時増刊号など約300冊を壁一面に展示している。

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 リニューアルを終えたINAXギャラリー1(中央区京橋3、TEL 03-5250-6530)は初の展示となる「『室内』の52年-山本夏彦が残したもの-展」を開催している。

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 鋭い視点のコラムで知られる山本夏彦さんは、1955年にインテリア専門誌「木工界」を創刊。1961年に誌名を「室内」に変更、2006年3月に休刊されるまで52年にわたり615冊を発表してきた。同誌は読み物なども多く掲載、建築家の伊東豊雄さんやエッセイストの酒井順子さん、写真家・エッセイストの町田忍さんら著名人が多くコラムを寄せている。山本さんは1959年から同誌で「日常茶飯事」というコラムを連載、このコラムで認知度が高まった。

 展示内容は「木工界」から「室内」まで、約300冊の表紙や選りすぐった60ページ分の誌面を壁面に配置したほか、写真家の藤塚光政さんが「室内」の表紙として撮影した写真や臨時増刊号なども展示。また、同誌連載「道具と私」や「道具拝見」などで道具論を展開した工業デザイナーの秋岡芳夫さんが、日本全国の古道具店を訪ね歩き集めた7,000点以上の道具類から96点を公開しているほか、北海道東海大学の織田憲嗣教授が毎号1人のデザイナーを取り上げ、そのいすを制作年代順に並べて紹介した「イラスト椅子づくし」8,000点以上のイラストの中から、織田さんが所蔵している20世紀を代表するデザイナー11人の「名作いす」を選び、実物を展示。そのほか、山本さんの手書き原稿や万年筆なども公開しており、「室内」の世界観を感じられる展示となっている。

 約5カ月にわたるリニューアルを終えた同ギャラリーは9階から2階へ移動、ギャラリー1、2とガレリアセラミカの3つのギャラリーを1フロアにまとめ、白を基調としたフローリングの空間として生まれ変わった。リニューアル後初の展示を同展としたことについて同ギャラリー担当者は「東京でもぜひ見たいというお客様のご要望が高かったこともありグランドオープンにふさわしい展示だと考えている」と話している。

 開催時間は10時~18時。日曜・祝日、6月21日、8月11日~16日休廊。8月25日まで。

INAXギャラリー

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